2024年の夏を盛り上げたパリオリンピックが終わって少し経ちましたが、2024年8月29日(木)〜9月8日(日)には再びパリでパラリンピック開催されます!
オリンピックとはまた違った見どころがたくさんのパラリンピックですが、注目の競技の一つに、車いすテニスがあります。
オリンピックのテニスとは異なるポイントもあるので、車椅子やラケットの違いや特徴などが気になる人もいるはず。
そこで今回は、車椅子テニスのラケットの違いは?パラリンピックでのルールや見どころを紹介します!
車椅子テニスのルールやどんなところに注目すればいいのかなどの見どころを事前に知っておくと、試合がより楽しくなるはずです!
ぜひ勉強して、試合観戦を楽しみましょう。
車椅子テニスのラケットの違いは?
まずは車椅子テニスのラケットについて、そもそも違いがあるのでしょうか?
実は車椅子テニスで使用されるラケットは、基本的に一般的なテニスラケットと大きな違いはありません。
車椅子テニスもルールがほとんど通常のテニスと同じであるため、使用するラケットも共通しているんです。
たとえば、今回車椅子テニスに出場する選手で特に注目されている小田凱人(おだときと)選手のラケットは、カスタムしていないYONEX(ヨネックス)のEZONE100Lという市販されているモデルを使っているそうです。
また、上地結衣選手もDUNLOP(ダンロップ)の CX 400という市販されているシリーズのラケットのようです。
小田選手は、過去に下記のように述べています。
ラケットもガットも普通に買えるやつでやってます。誰でも入手できるラケットで世界一を取る。もしガットが切れてなくなっても、違うラケットを使って勝つ。僕のプロのイメージはそんな感じ。
引用: GQ JAPAN(YouTube動画より)
どんなラケットでも勝つ、かっこいいですね!
しかし、選手によっては車椅子操作とプレーの両立を考え、操作性や軽量性を重視してラケットを選ぶことがあります。
そのため、グリップの太さやラケットのバランス、重量など、選手のプレイスタイルや体力に合わせた◯◯モデルとして、カスタマイズが行われます。
車椅子テニスだからという理由ではなく、選手のこだわりでラケットを選んだりカスタマイズしているということですね。
クァードクラスでは、選手の障害が三肢以上に及ぶため、通常の方法でサーブを行うことが難しい場合があります。そのため、ルール上の特例として、選手自身や第三者がボールを地面にワンバウンドさせてからサーブを行うことが認められています。
車椅子テニスのパラリンピックでのルール
パラリンピックの車椅子テニスのルールは、コートの大きさ、ネットの高さ、得点の数え方など、一般的なテニスとほとんど同じですが、 以下のようにいくつか異なる特別なルールがあります。
2バウンドまで許可
車椅子テニスでは、ボールが2バウンドするまでに返球すれば有効です。
1バウンド目はコート内で、2バウンド目はコート外でも構いません。
車椅子の扱い
車椅子の一部は身体の延長とみなされるため、車椅子にボールが触れても体に触れたと同じ扱いになります。
ボールが車いすにノーバウンドで触れたら失点となってしまいます。
また、足を使って車輪にブレーキをかけたり、車椅子を動かすことは基本的に禁止です。
ただし、手を使って車椅子を操作できないプレーヤーに限り、特定の状況下で片足を使って車輪を操作することが認められています。
さらに、運動能力の低下により手動の車いすを使用できない選手、特にクァードクラスの選手は、日常生活で電動車いすを使用している場合、テニスでも電動車いすを使用することが認められています。
サーブ
サーブを行う前に、選手は車椅子を一度制止させる必要があります。
そこからサーブを打つ際、ボールを投げ上げる前に車輪を一押しだけすることが許されています。
この動作により、選手は適切な体勢を取ったり、バランスを整えたりしてからサーブを打てるようになっています。
また、通常のテニスと同様に、サーブを行う際の車椅子の位置には制限があります。
車輪がベースラインを越えたり、センターマークやサイドラインの仮想延長線に触れたりしてはいけません。
打撃の瞬間
ラケットとボールが接触する際に、両方の臀部を車椅子の座席から離すことはルールで禁止されています。
クラス分け
クラス分けは下記の表のようになっており、それぞれにシングルスとダブルスがあります。
クラス | 障がい |
男子/女子 | 下肢に障がいがある。脊髄損傷や下肢切断など、様々。 |
クアード(男女混合) | 下肢だけではなく、まひなど上肢にも障がいがある。障がいの程度が比較的重い。 |
車椅子テニスの見どころ
続いて車椅子テニスの見どころを、いくつか下記にあげます!
競技用車椅子
車椅子テニスの競技用車椅子には、テニス特有の動きやプレーを支えるための特別な設計がされているので、注目してみるとより楽しめます!
斜めに傾いたタイヤ | タイヤが外側に傾斜していることにより、急な方向転換や安定性が向上します。これにより、素早いターンや横移動がしやすくなっています。 |
軽量かつ頑丈なフレーム | アルミやチタン、カーボンファイバーといった軽量かつ強度のある素材が使用されており、選手が素早く動けるようになっています。 |
前輪の数と配置 | 前輪は小さく、通常2つ設置されています。これにより、動きの安定性が高まり、前後左右の素早い動きに対応できます。 |
固定されたフットレスト | フットレストは固定されており、プレー中に足がぶつかったり動いたりしないよう設計されています。 |
背もたれがない | 上半身を自由に動かせるように背もたれはありません。 |
バンパーがない | 選手同士の接触がほとんどないので、車椅子バスケの車椅子にあるような足を保護するバンパーはついていません。 |
カスタマイズ可能 | 選手それぞれの体型やプレースタイルに合わせて、シートの高さや角度、ハンドリム(タイヤを漕ぐ部分)の位置などが調整・カスタマイズされています。 |
これらの特徴により、選手はスピードや操作性を最大限に活かしてプレーできるようになっています。
競技用車椅子は、選手の技術や戦略を支える重要な道具ですね!
車椅子の操作能力
車椅子は一度停止してしまうと、再び動き出すまでに大きなエネルギーと時間がかかるため、選手は無駄な停止を避け、絶えず車椅子を操作しながら次のプレーに備えています。
その中で、素早くポジションを取り、正確なショットを打つためには、強い体力と高い技術が不可欠です。
特に車椅子を巧みに操りつつ、素早く方向転換し、強力なショットを放つその車椅子さばきは、大変見応えがあります!
車椅子を操作してからラケットを持ち直すまでの時間も早くて、驚きます!
車椅子テニスの小田くんのイベントでした! スウィングスピードの速さ、回転量がえぐかった😍
— mon (@mon2777h) February 12, 2024
ゲーム形式で対戦してもらえて
左利きのサーブ、アドサイドのワイドを
警戒するポジションとってたら
目の覚めるようなセンターサーブでエースを取られた! 一生の良き経験になりました😆 pic.twitter.com/xtSTGWvYOM
瞬時の予測
車椅子テニスに限らず、テニスで重要な「予測」も見どころの一つです!
相手が打ち返してくる場所を予測して準備する。
トップ選手が相手が打つよりも先に移動して、厳しい角度で返したりするプレイを見ていると、その駆け引きに隊夢中になってしまいます!
車椅子テニスのラケットの違いは?パラリンピックでのルールや見どころを紹介!のまとめ
今回は、車椅子テニスのラケットの違いは?パラリンピックでのルールや見どころを紹介しました!
車椅子テニスの特徴などをお伝えしましたが、ルールや車椅子に違いはあっても、意外とラケットには大きな違いがないことがわかりましたね。
車椅子テニスでは、ラケットだけではなく車椅子の操作技術なども必要になってくる高度なプレイが見どころにもなってきます。
今まで車椅子テニスについて知らなかった人も、一般的なテニスとは違った視点で楽しむことができるので、ぜひこれを機会に車椅子テニスにも興味を持って楽しんでもらえればと思います!